Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
一体何の音かしらん」
暗さは暗し、何の音だか、さっぱりわからない。その音のしている見当は、どうやら頭の上らしいが、またそうでもないような気もする。
その怪音は、やがて更にきいんと、高い音になっていったかと思うと、そのうちに、すうっと聞えなくなってしまった。
「あれっ、音がしなくなったぞ」
音はしなくなったが、千二は、前よりも何だか胸がわるくなった。腐った物を食べたあとの胸のわるさに、どこか似ていた。千二は、さっき家を出る時に食べた、夜食のかまぼこが悪かったのではないかと思ったほどである。
しかし、これは決して食あたりのせいではなかった。いずれ後になってはっきりわかるが、千二が胸が悪くなったのも、もっともであり、そうしてそれは食あたりではなく、原因は外にあったのである。
千二は、ついにたまらなくなって、道のうえに膝をついた。
とたん、さあっと音がして、雨が降出した。この時冷たい雨が千二の頬にかからなければ、彼はその場に長くなって、倒れてしまったかも知れない。だが、幸運にも、この冷たい雨が、千二をはっと我にかえらせた。
「うん、これはしっかりしなければだめだ」