Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
「ぶうーん」
「あっ、いた――」
とつぜん、佐々の顎に、相手の鉄拳が、ごつんとはいった。彼は、顎が火のようにあつくなったまでしかおぼえていない。佐々は、はり板をたおすように、どすんと、うしろへたおれた。そうして気を失ってしまった。
首のない怪人は、ここで、にやりと笑いたいところであったろう。しかし首がないので、笑うわけにはいかない。
そこで彼は、ちょっとしゃがむと、両手をのばして、うしろに落ちていた首をひろい上げた。
怪人が、首をぽろりと落した。
佐々刑事も、そこまではちゃんと見ていたから、間違ない。
ところが、そのあとで、怪人は腕をのばして、自分の首をひょいと拾い上げたのだった。その時には佐々刑事は、怪人から一撃をくってひっくりかえっていたから、何も知らない。もしも、そこまで見ていたとしたら、恐らく、佐々刑事は自分の目をうたがって、発狂してしまったかも知れない。
怪人が、首をぽろりと落したこともほんとなら、また、首を拾い上げたことも、ほんとであった。
「そんなばかなことが!」
と、叱られるかも知れない。だが叱られても仕方がないのである。あたりまえの考え方では、首がぽろりと落ちれば、その人間は死んでしまうのだから。