Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
でも、どうしたわけか、のどから声が出なかった。
第二の柱時計は、続いて、ぼうん、ぼうんと鳴りつづける。そうして、ついに八時をうってしまった。
その時、何思ったか新田先生は、後を向いた。
「おお、千二君。よく注意しているかね。さあ、この次は、いよいよ問題の九時をうたせるから、君は、おへそに、うんと力を入れておいでよ、ね」
千二は、返事をするかわりに、無言でうなずいた。
「さあ、いよいよ始るぞ。九時をうたせても、鼠一匹出て来なければ、ことごとく先生の失敗に終る!」
荒鷲の巣へしのびよって、巣の中の卵へ、いよいよ手を、にゅっとのばした猟師のように、新田先生の顔は、一生けんめいな気持で真赤になっていた。
ぼうん、ぼうん、ぼうん……
いよいよ柱時計は九時をうち出した。
すると、新田先生は、急に、梯子から、どかどかと下りた。そうして、時計の下の壁ぎわにぴったりと体をよせ、なおも鳴りひびく怪時計の音に、注意ぶかく聞入った。
ぼうん! ついに時計は、九時をうち終った。
その時、柱時計の下で、壁にぴったりと、からだをよせている新田先生のはげしい興奮の顔!
また入口の扉を背にして、何事が起るかと、目をみはっている千二少年の顔!