Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
すぐさま、手あてをしてやらにゃ」
と、檻の方へ近づいた。
「おお、かわいそうに。今すぐに、よくしてやるぞ」
地球人類は大きらいという博士が、檻の中の火星人に対しては、たいへんやさしくするのは不思議であった。
新田先生は、博士のすることを、じっと見まもっていた。
博士は、鞄と小さな紙づつみとを持って、檻の中にはいった。二人の火星人はまるい頭をあげて、ひゅうひゅうぷくぷくと、喜びの声をあげた。
博士は、奥の方に寝ていた火星人のそばによって、
「薬をやっと作って来た。何しろ火星の上とは違って、この地球の上には、なかなかいいのが見つからないのだ。わしは、日本アルプスの雪を掘りつづけて、やっとこれだけ取って来たのだ。ほら、この通り」
博士は、小さい紙づつみを解いて、中から小さいガラスびんを取出した。びんの中には褐色の草の根のようなものが押しこんであった。そこで火星人は、また喜びの声をあげた。
博士は鞄の中から小さなすり鉢を取出し、その中へ草の根を入れて、ごしごしとすった。すると褐色のねばねばした汁が、鉢の底にたまって来た。
博士はその汁を筆の先につけ、苦しそうにあえいでいる病気の火星人の、手だか足だかわからないが、そのつけ根のところへ、ぬってやるのであった。