Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
「おお、もうそんな時間か」
丸木はそう叫ぶより早く、体をぐっとちぢめると、床の上を目にもとまらぬ早さで這出した。そうして、あっと思う間もなく、かたわらにおいてあったドラム缶のような、胴の中にとびこんだ。胴はたちまち左右から寄って、ぱちんと、しまってしまった。
すると、胴中に生えていた手足が、急に勢いよく、ばたばた動き出した。そうして、かたわらにおいてあった首の方へ手をのばすと、それをひょいと肩にのせたのであった。――とたんに、完全な丸木氏が出来あがってしまった。
不思議な丸木の朝の日課であった。
千二少年は、少しも驚く様子がなく、そばにじっと立っていた。
不思議な日課を終えた丸木は、減圧箱の中から出て来た。
そこで彼は、減圧箱を足でぽんと蹴った。
すると減圧箱は、ゴム風船がちぢむ時のように見る見る小さくなった。そうして誰もさわらないのに、ポストぐらいの大きさのものになると、ことことと音を立て、ひとりで部屋のすみのところへいった。そこでは、どうしたわけか、かたりと音がして、その折りたたまれた減圧箱を、部屋の隅に、動かないようにくくりつけてしまったのであった。