Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
そのとき、千二は、妙な音を聞いた。
ひゅう、ひゅう、ひゅう、ひゅう、ひゅう、ひゅう。千二は、その妙な音を聞きながら、
(あれ、あの音は、どこかで聞いた音だぞ)
と思った。しかし彼はすぐさま、そのことを忘れてしまった。そのわけは、丸木が、ついに、めりめりと薬屋の戸をおしたおしてしまったからである。
「あっ、乱暴者!」
「おい、みんな、力を借せ。こいつを取りおさえて、交番へつきだすんだ」
奥で顔をあらっていた店員たちも、どっと店にとび出した。そうして、十人近い人数で、一人の丸木をとりまいた。
だが、丸木はすこしも、ひるまない。長い外套の下から、足をだして、店員たちを蹴たおした。丸木に蹴られた店員は、だれでも、ううといったきり、二度とおきあがって来なかった。
残った店員たちは、この烈しい丸木のけんまくに、すこしおそれをなして、後へひきさがる。
その間に、丸木は、薬の壜を並べた棚のところにとんで行って、壜の上にはってあるレッテルを一々見ては、ちがっていると見えて、かわるがわる両手につかんで、店員の方へなげとばす。劇薬も毒薬もあったものではない。さわぎは、ますます大きくなった。