Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
おほほ。」
「親ちゃん、継母じゃあないの。え、継母は居ないのかい。」
憂慮しければぞ問いたる。小親は事も無げに、
「私には何にもないよ。ただね、親方が有るの。」
「そう、じゃあ可いや、継母だと不可いよ。酷いよ。広岡の姉さんは泣いている……」
先よりさまで心にも止めざるようなりし小親は、この時身に沁みて聞きたる状なり。
「それは気の毒だね。皆そうだよ、継母は情ないもんだとね。貢さんなんざ、まだまあ、伯母さんだから結構だよ。何でも言うことを肯いて可愛がられるようになさいよ。おお、そういやあほんとうに晩くなって叱られやしないかね。」
「もう来たんだ。ちょいと。」
手を放すより、二三間駈出して、われはまず青楓の扇の地紙開きたるよう、月を蔽いて広がりたる枝の下に彳みつ。仰げば白きもの仄見ゆる、前の日雨ふりし前なりけむ、姉上の結びたまいし折鶴のなごりなり。
打見るさえいと懐しく、退りて二階なる窓の戸に向いて、
「姉さん、唯今帰りました。」
と高く呼びぬ。毎夜狂言見に行きたる帰には、ここに来てかくは云うなりけり。案じてそれまでは寝ねたまわず。
しばし音なければ、彼方に立てる小親の方を視返りたり。