Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

「あ痛、あ、あ、痛。」

うつくしき眉を顰めつつ、はたと得物を取落しぬ。

驚きてわが走り寄る時、遁路あきたれば潜り抜けて、猫は飛び出で、遠く走る音して寂然となりたり。

「どうしたんだね、姉さん、どうしたんだね。」

小親は玉の腕投げ出して、右手もて擦りながら肱を曲げ、手の甲を頬にあてて、口もてその脈の処を強く吸いぬ。

「僂麻質かい、姉さん。」

と危ぶみ問いたる、わが声は思わず震いぬ。

「あら、顔の色を変えて、真蒼だね。そんなに吃驚したのかね、気の弱い。」

かえってわれを激ましぬ。

「いいえ、猫にも驚いたけれど、りゅうまちじゃあないかい、え、僂麻質じゃあないかい。」

「ちょいとだよ。何でもないんだよ、何をそんなに。たかがりゅうまちだもの、生命を取られるほどのことは無いから。」

「でも、私はもう、僂麻質と聞いても悚然するよ。何より恐いんだ。なぜッてまた小六さんのように。」

「磔!」

言いたる小親も色をかえぬ。太き溜息吻とつきて、

「鶴亀、々々。ああ、そういったばかりでも、私ゃ胸が痛いよ、貢さん、ほんとに小六さんもどうおしだろうね。」

物語の銀六は、蛇責の釜に入りたる身の経験ありたれば、一たびその事を耳にするより、蒼くなりて、何とて生命の続くべきと、老の目に涙泛べしなり。