Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme

Aozora Bunko

お母さんは私がずっといたので大変よかったとおよろこびです。妻の心持としてのお母さんの気持の通じるのは今のところ私一人ですものね。そして、それこそお母さんとして一番切実なものであるわけですから。お二人は結局深く結びついた御夫婦であったと思います。お父さんは実にお母さんを愛していらした。カンシャクはどんなに起してもね。お母さんのお気持ではカンシャクで苦しい思いをしたのも、けんかしたのも、とび出したのも、やはりお父さんいらしてのことというつきぬ思い出があるのです。私には実に実によくわかる。お母さんも本当によい可愛い女房であると思います。若い女のひとたちが良人に死なれて殉死する気持がよくわかると云っていらっしゃる。こういう心持のキメのこまやかさというものは、決して通り一遍のおかみさんの感情ではありません。そして私はそういういろいろの瑞々しい活々とした感情の故に、おかあさんを一層一層可愛く身に近く、同じように熱い血をもっている女性として愛します。そういう心持を底にもっていながら、日常はこれまでと些も変らないように店をやり昔の世話をやき、体を畳に倒して私が可笑しいことを云うと笑っていらっしゃる。