Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
二十九日
隆ちゃんが車庫でタイアのパンクしたのを直している。七十何円かであったものが、この頃は百三十何円とかだそうです。大切に大切につかっている。一日のトラックの賃が(一日かしきり)三十五円だそうです。柳沢といううちでもトラックをはじめる由です。達ちゃんは出征軍人だから、休車が出来る。(さもなければ三ヵ月で権利を失う由)隆ちゃんも入営すれば休車になさるそうです。人をやとっては、割に合わぬそうです。こちらの生活も、多賀ちゃんがいればよい、いなければいないでよいと仰云っています。私はお一人では心がかりだから十五円自分が出していて貰うつもりですが、野原との感情的いきさつは紛糾していて、私のような外からの者の心持、又気持の焦点の違ったものでは収拾がつきませんから、万事お母さんのお気にまかせます。多賀ちゃんがいなければ十六七の少年を置いたら、一寸した荷は動かせるし、活気があってよかろうとも云っていらっしゃいます。私はこれから本よみ。下から「お母さんも家業にせいを出していらっしゃるから私も家業をはじめましょう」と上って来たところ。きょうはもう麦の始末も終りモーターのブーブーいう音もしません。