Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
書いていながら不図それを感じ、二重にいやでした。(島田へゆく前)思索のたのしさ、対象により深く深くとはいり込んでゆくたのしさで、体をふりながらわきめもふらず進んでゆくようなところがなく、何だか息が短くて癪にさわっていた。心ひそかにこういう神経の過程はどんな工合に踰えてゆかれるのかと思っていた。
そしたら、この頃そういうごく微妙な部分でらくになって、いくらか均衡をとり戻した自覚があります。だからこの調子で八月は暑さも暑いし、すこしゆったり顔を眺め、物干にほされるあなたの着物をたたんだりして滋養を摂ろうという気になりました。それでいいでしょう? お互にそういう意味での養生を致しましょう。ともどもということも具体的で、貴方の白絣の袖がついここにあるような感じは大変に大変に気の休まりになります。たまだと、何だか大きい声を出して、力を入れて、私は丸っこいから精一杯爪先に力を入れて、のり出して物を云うようだけれども、この頃はふだんのようで、あなたも私もふだんで、この何でもないようでたまって来る滴々が生活にもたらす味いは又特別です。首をかしげそれを味い、体中に膏油のように手のひらまでまんべんなくのばしてゆくようなところがあります。