Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme

Aozora Bunko

特に語りたい心持がするのは、私が最近経過した内部的な大掃除みたいなもの、或は嵐のようなもののおかげで、すこし古葉が落ちて、ものがはっきり見えはじめた部分があって、そのおかげで、漠然納得ゆかない気持でうけていたものを、はっきり捕え分析し得るようになった。そこが意味深長で、きいて欲しいわけなのです。

「暗夜行路」の主人公謙作が京都で鳥毛立屏風の絵にあるような女(この絵覚えていらっしゃるかしら。大どかな、素直な、気品ある若い女です。裾を左手ですこしかかげているような、元禄風の)を見そめて、そのちゃんとした娘と結婚して、生活しはじめる。その妻である女は、挙止、言葉づかいよさの諸点が現実の作者の妻である婦人を、まざまざ読者に思い浮ばすように描かれている。夫婦の生活は苦労なく、例のこの作者らしい雰囲気で、友人と花をやって遊んだりし、その間、妻が札を間違えたのを、或る狡さかと思っていやな気がする、それが妻に反映して悄気るなどのニュアンス。この作者が人間の心持に潔癖と云われている定石的モメントもあり。その妻が、妻の従兄に当る男と、良人の旅行中過ちを犯す。その描写が、私に腑に落ちなかった。