Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
だろう、ひどい嘘つき、と思った。そういう程度だった。本気になどする自分、というところまで及んでいなかった。その点で、発端的と云われるのは当って居ると思います。
それから、これは一寸直接の答えにならないようで、実は大変直接な私の心持の一つ。我々の生活の初まりの時期、私は健全ではあるが生活全体の意味や内容をおぼろげに直覚しているだけの単純さで、あなたと自分というものを、ごく単純化された程度で、肩を並べた感情で感じていた。素朴なよろこびと信頼とに充ちる状態で、おくめんなく一つのものに感じていた。
次の時期に入ると、生活の諸内容が少しずつ分って来るにつれ、貴方への評価が私の内で高くなりまさると同時に、自分の様々の持ちものについて、元のような素朴さで、それなりいい気持で肩を並べたような気でいられなくなった。自分が多くの点で劣っていることを知った。そして、自分の気持では、自分をあなたにひっぱられる必要のあるものを感じる面が生じた。それは甚だ微妙に作用したと思います。主観的には一層努力が自覚されているだけに、つまり自分の努力をそれなりよりどころ(心持の)にしているようなところがあって、あなたからの心付や注意や励しには受け身な敏感さが生じているため、却って、それに対して感情的になり易く、そんなに云ったって、とか、でも、