Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme

Aozora Bunko

今桜は殆ど咲きものこらず、散りもそめず、というところです。この辺は桜があちこちにあって、毎朝上り屋敷のところへ立って、いろいろな桜の色をみます、特に風情のあるものもあったりして。

国府津で青銅の花瓶にさしてソファーのよこの長テーブルに飾ってあった山桜の花、覚えていらっしゃるでしょうか。枝のつやが何とも云えず新鮮で、本当に桜の枝という心持がしたのを思い出します。上落合の家の二階から、ぼってりした八重桜がうるさく見えたのも、きっと手紙に書いたでしょうね。今年は何だか桜もこまかに目に映ります。面白いものね。去年の今頃は、花もあまり目につかなかったのかしら。

さて三十日以来の手紙となりました。三十日のお手紙二日に頂きました。これは大変順調の早さに近づきました。

多賀ちゃんもいろいろに考えているようです。そして今は女学校教師になれる検定をとりたい希望ですが、何しろ高等女学校を出ていないので、その前に一年ぐらい実科高等女学校か夜間で高等女学校の資格をもっているところに通って、そこを出てから検定をうけるなら受けなければならないというわけです。四年の最後の学年一年やるわけですが、それへの編入試験をうけるには、英語や国語やその他の勉強がいるので、先ずさしあたり国語を、友達で専門学校の国文科出の女のひとについてやることになり