Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
女は自然に洩された良人の言葉を忘れることが出来ません。そういうことについての感じかたの相異は、命を与えるものと、与えられなければならないものとの感じかたの相異なのでしょうか。命を与えるものはモーゼのようなもので、命を与えられなければならないものは、その季節というものに限りのあることを知っているからでしょうか。しかもその女はそのような季節のかぎりをかけて、たった一つの命にしか命のあたえてとしての価値を見ていない、そのことからの感じなのでしょうか。
――○――
これは、なかなかむずかしいとお思いになるでしょう? もし小説にかけなければ、もとよりそれでいいのです、ここにかいたから。云うに云えないその女の傷みの心を表現することは大変むずかしいと思います、何故ならその心持は其だけの単純なものではなくて、それだけの深いよろこびを裏にもっているものでありますから。ああ、そしてね、その女はそのとき良人に、「今ここで云えないいろんな気持があるのよ」と云っているのです。そう云っただけで良人のひとがすぐ諒解出来ないということは万々わかりながら。でも、やっぱりそう云っているの。