Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme

Aozora Bunko

机の引出しをすっかり空っぽにして整理しているうちにいつか、五月ごろの雨上りの景色をかいている紙切れが出て、何だかその頃の空気がぱっと顔にかかって来るように新鮮でした。だからおしいなアと思ってそして考えていて思いついたのです。仕事してゆく自分自分の方法が、こんなにしてたまって来る、見出されて来るのは面白いこと、ね。

十三日に、どこかお湯のあるところへゆきたくてキョトキョトしましたが、おやめにいたします。無理だから。もし鵠沼にちょっと泊れるところでもあれば、一晩海のそばで眠って来ますが。きっと、一人でいろんなこと一どきに考えて、それで温泉へでも行きたくなってしまったのね。どうもそうらしく思えます。理研のレバーはよくきいて、気分としてはそんな気分でも仕事はやって居ります。何と面白いでしょう。ミケルアンジェロが、フィレンツェにいられなくなって、ローマ暮しで心は悲愁に充ちているとき益※(二の字点、1-2-22)仕事に熱中したというのをいつかよんで、そういうところまで責められている芸の術というものはこれまた稀有だといろいろ感じました。しかし、そういうことは生きかたの方向としては、もっと貧しい芸の術の場合でもあり得ると思うとたのしくなります。