Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
そういうことは心理的に何というか事理明白すぎて、小説をかいたりしてゆく気持にとって、必ずしも最上と云えない、このことは割合心づいていたのです。そういう点から時々、チビ坊に侵入されたり、小さい女の子の手で顔をひっかかれたり愚痴をきいたりするのもいいかもしれません。
私は、随分気を張って(それはそうよ、こわいときは一番私がこわいのを辛棒しなけりゃならないから)いたのだから、ここいらでこわいときはギャーギャー云えば来て呉れるもののいるところで、暮すのもいいのでしょう。余り女丈夫になりでもしたら、あなたにすみませんから。私は益※(二の字点、1-2-22)瑞々しくなければならないのですもの。そうでしょう? 待って居りました、と、石のようなものが出たらお弱りになるでしょう? それでは全くあわれ無惨となりますからね。
こんな思いを、しずのおだまきの如くくりかえしくりかえしたる揚句にきめるのですから、あっちの暮しで、ユリがお嬢様還元をやるだろうということからの危惧は、本当になさらないで下さい。自分としてこんな気持で動くのに、あなたが元と同じにその点お気づかいになって、いつも自分に対して何か心配していなければならないとしたら、本当に生活は却って不健全になると思います。