Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme
着するや直ちにある裏店に居を占め、さて如何なる仕事に就いたものであろうかと思い迷ううち、国もとから持って来た金のうち二十円を食い尽して、残るところ僅かに二十円、これが彼の唯一の資本金であった。彼はせん方なく当座の仕事として石油の行商を始めた。すなわち戸ごとに「油屋でござい」と呼び歩くのであるが、初めの数日間は終日かけ廻って僅か数軒の得意を得たばかり、かくてはとうてい夫婦の口を糊するに足らないので、彼は夜は辻俥を挽き、これで得た金を食料に当て、先に資本として残した二十円には決して手を着けぬことに決心した。また彼の叔母に当る人で、金持の呉服屋があった。けれども彼は立派に店でも持たないうちは出入りをしないことに心をきめて、いささかも依頼することなく、朝は未明に起きて油を売り、夜はわらじのままで板の間に腰かけて夕食をしたため、惰気やねむけの催さぬうちに、また暗の中にかけ出して俥を挽き、粒々辛苦実にいうに忍びざる苦境を経て、半年の後には得意は二百軒に増加した。これでいささかの希望の曙光を認め得たので俥挽きを廃業して油売り専門となり、満一ヶ年目には三百戸となり、数年目の今日五百軒に達したので、今は小僧を雇いて共に得意廻わりをなし、妻は店を担当して、夫婦共稼ぎに精々働いた結果、資本裕かになり、生活も楽になったとのこと