Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme
如何に顔の見えない電話であるといえ理由なく叱りとばされて挨拶に困ることがたびたびある。自分も一度このお叱りに出遇ったが、あまり愉快なものではない。またある人は配達小僧をつかまえて、下女の代りに水を汲ませたり、使いにやったり勝手なことをする。
中にはまた、壜詰缶詰などの口を切って売物にならないものを引取れという人がある。ことにコンデンスミルクなどのように、一缶について三厘もしくは五厘の手数しかない薄利のものを、不用になったから引取れの、価を引けという難題を持ちかけられて、商人が立ち行かれるものであろうか。これより甚だしいのは半日か一日ぐらいしか保たない生菓子を注文しておきながら急に不用になったという場合。あるいは食パンなど急に追加注文になって我が店だけでは間に合わないので諸所の同業者間を歩いてようやく間に合わし、お得意の便宜を計って差上げたのに、もう不用になったとて一言の謝辞もいわぬのみか、その品に難くせつけて突っ返されることがある。こちらはこういう場合も日頃の愛顧に対して引取らないわけにも行かず、さりとてみすみす全部の損失を招くことは商人として非常な苦痛である。