Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme
一方東京の一流店では日清製粉などには飽き足らず、値段は二倍とするが、それを厭わずにアメリカのセントラルベストあたりを用いるようになったから、片原饅頭の名声がすたれたのに不思議はない。
もしこの場合製造家が片原饅頭の名代を護り、海内唯一の理想を掲げて、良い材料を選ぶことに苦心したならば、長年の信用をこんなに早く失うはずもなかったろうにと、まことに惜しいことに思われる。
西新井薬師の門前は、軒並に名物「草だんご」を売っている。昔あの辺は一帯が原であったので「もちぐさ」が豊富に得られ、だんごやもこれで起ったものであろう。ところが現在ではだんごに青粉を入れている。従ってこれは「名物」だからと買って賞翫する気にはなれない。今日ではただ僅かに名物という名残りをとどめるにすぎないのも故あるかなである。
私の店でも「草だんご」を売るが、まだ春浅く東京近辺では草が萠え出ていない時分にどうするかというと、房州辺から一貫目二円ぐらいの草を買って拵えているのだ。何品によらずこれだけの注意は払わねばならない。西新井薬師の「草だんご」もこれだけの誠実があれば名物の地位を失うことはなかったのである。