Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

這奴を生かしておくうちは世の乱はしずまらん」

「ごもっともです。それに異論はございませぬ。さきに私のした不つつかな献策が、なお御不快をのこしておられますなれば何とぞ、御勘弁ねがいます。このとおり深くおわび仕りまする」

「いや何、そうあらたまって、おわびには及ばん。とうに、水には流しておる」

と、義貞も思慮に返って。

「さようなこと。主上がお取上げあるはずもなし、また、義貞も一笑にふしていたことのみ。……だが、河内どの」

「は」

「問いたいのは、御辺の戦意。――そも御辺にはいかなる勝算をお持ちか」

「もしここに水軍の備えがあればと存じていますが」

「ないゆえに、ここは苦戦とのお考えだな。まずは弱気か。しかし諸方へ檄はとばしてある。あすにも、わが水軍が沖に見えぬとはかぎらぬのだ」

「が、それもまにあいませぬときは」

「精鋭二万、なお義貞の下に、尊氏必滅の意気を燃やしておる。そして楠木勢の参陣も見たいまだ。――総じて、汀の戦いは、陸地の兵に強味がある。――舟で来る敵は、こなたの二倍三倍の兵力をそそいでも、勝目はうすい」

「しかし、海上の敵は、自分の好む地点を戦場として駈け上がりうる利を持っていまする」