Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
それの一例とみられるものに「博多日記」の三月二十日の条がある。
今日、辻の木戸で怪しの男が捕まッた。八幡弥四郎と名のッて、さまざま口実を構えていたが、体じゅうから密書が出てきた。それは大友、筑州、菊池、平戸、日田、三窪らへ宛てた六通の院宣だった。――とあるのである。密書や密詔の往来がいかに頻繁だったかが察しられよう。
「筑紫は火の国だ、血の気が多い。……気をつけぬと」
九州探題の北条修理亮英時は、伯耆から次々と入ってくる船上山の情報を手にするたび、
「ここも?」
と、予感せずにいられなかった。
そこで彼は、時局の談合に名をかりて、日ごろ怪しいと見ている武門たちを、いちど博多に呼びあつめ、その真意を確かめておこうとした。――彼の黒表にのぼっていたおもなる大族は菊池、阿蘇、少弐、大友の四家だった。
その召集をうけた肥後の菊池武時は、
「ただではすむまい。いッそ迎え潮と申すもの」
と覚悟して、日ごろの盟友、阿蘇ノ大宮司惟直ともしめしあわせ、まず彼のみ家の子郎党三百余騎をつれて、博多へ出た。そして息ノ浜に宿営した。
すでにこの一月にはこんなこともあったのだ。