Japanische Klassiker mit Furigana
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えんむすび
縁結び
泉 鏡花
Lesen Sie 縁結び (えんむすび) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.536 Zeichen · 33 Bildschirme
……そうだろう。あんな奴は、今におれがたたき殺してやろう、と恐ろしく意気込んで、飛上って、高い枝の桃の実を引もぎって一個くれたんだ。
帰途は、その清水の処あたりで、もう日が暮れた。婆がやかましいから急ごう、と云うと、髪をばらりと振って、私の手をむずと取って駆出したんだが、引立てた腕がげるように痛む、足も宙で息が詰った。養子は、と見ると、目が血走っていようじゃないか。
泣出したもんだから、横抱にして飛んで帰ったがね。私は何だか顔はあかし、天狗にさらわれて行ったような気がした。袂に入れた桃の実は途中で振落して一つもない。
そりゃいいが、半年経たない内にその男は離縁になった。
だんだん気が荒くなって、※さんのたぶさを掴んで打った、とかで、田地は取上げ、という評判でね、風の便りに聞くと、その養子は気が違ってしまったそうだよ。
その後、晩方の事だった。私はまた例の百人一首を持出して、おなじ処を開けて腹這いで見ていた。その絵を見る時は、きっと、この※さんは誰? と云って聞くのがお極りのようだったがね。また尋ねようと思って、阿母は、と見ると、秋の暮方の事だっけ。