Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
父上のお怒りの解けるまで二、三日……」
「嘘です」
鋭い叫び声がして、裏口から突然お奈々が走り込んで来た。慶太郎は跳び上がるほど驚いた。
「若様のおっしゃることは嘘です」
「お奈々さんどうしたのです」
「小母さん、わたしはちゃんと見ていました。若さまは岡崎へ援軍を頼みに行く大切な役目を申し付けられながら、命が惜しさに金之助さんを」
「だ、黙れ、何をでたらめを申すか」
「お待ちなされまし」
おむらはきっと慶太郎を押さえて、
「お奈々さん、くわしく話して下さい」
「いいますとも」
お奈々は敢然と眉をあげて、見とどけたことの始終を手短かに語った。――おむらはわなわなとふるえながら聞いていたが、
「お奈々さん、それ本当でしょうね」
「若様のその姿を御覧なさいまし、その足軽の姿で金之助さんの帰りを待ち、自分が使者に行ったような顔をしてお城へ戻るつもりなんです、――その恰好を見ても小母さんはお疑いになりませんの!」
「ああ、ああ」
おむらは両手で胸をしめつけながら呻いた。そしていきなり慶太郎の利き腕をつかむと、
「お奈々さん旦那様の陣場へ案内して下さい、すぐにです、――さあおまえも来やれ」