Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
石田三成はかねて使者を景勝に送り、徳川家康が故太閤の盟約に背く罪十箇条を陳べ、一朝事ある時には豊家のため援助を乞う――と言いよこしてあった。そこでこの度、家康と三成とがいよいよ手切れになり、戦端が開かれるという通知を得たので、景勝は徳川軍の背後を潰滅させるため、急遽会津に兵を挙げることになったのである。なにしろ四隣に強敵を控えての挙兵だから、それには武器、弾薬、軍用の金が莫大に必要である。ところが当時会津藩の財政はかなり窮乏していて、急の挙兵に十分の手当てをする事がむずかしかった。
「これではとても一時に大軍を動かす事は出来まい」
「なにしろ家中の武士で、甲冑にも不足している者が沢山ある」
「藩としても武具は足りない状態だ」
「しかし、ここで挙兵が遅れたら、かえって徳川軍のために先手を打たれて、会津は逆に滅亡せねばならぬぞ」
と老臣たちは苦策を練りつつ、凝議に夜を明かしたのである。
「岡野はまだ出ないのか」
景勝はいらいらと叫んだ。
「左内はどうした、使いは帰らぬのか」
この急の場合に、どうした事か猪苗代城の岡野左内だけは、再三使いをやったのにかかわらずいまだに登城しないのである。