Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
殺生関白の名を後代までさらし給ふべし、敵の首をとらん事は思ひもよらざる事也、此職に在ては、天下の邪法を正し給はんこそ、国たましゐの役なるべきに、自邪法を行ひ給ふ事、桀紂が再誕うたがひなし、其因果幾程もなかるべきぞと、悪口せしが、づた/\に成てみえにけり
と。太閤記の作者は此の項の後に附記して曰く、
不昧因果と云まじや、又物の自然と云てんや、符節を合する事こそあんなれ、其故いかにと云に、秀次公六月八日比叡山へ登り、狼藉を御心のまゝにし給ひしが、七月八日高野山へ上り給ふて、うきめを見給ひけり、同十五日北野にて盲者を伐し給ひしが、其刀にて介錯せられし也、寔に昔は因果の程をつゝしめよ、或其因果孫彦に報か、或子に報か、或其身にむくふかなど、云しぞかし、しかは云ど、今は皿のはたを廻り侍るよと、世俗の諺なりしが、げに左も覚にけり
と。秀次高野山で生害の砌、介錯を勤めたのは篠部淡路守、刀は浪游と云う兼光の業物であったが、此の記事に依ると、その前の月の十五日北野で盲人を惨殺した時に用いたのがその浪游であったと見える。当時殺戮を好む秀次のために、罪なき者を害し給うのは不便であるからと、毎日牢屋から一人ずつ罪人を引き出して献じたところ、大坂、伏見、京、堺の牢の者共を悉く斬り盡し、遂にはどんな微罪と雖も皆斬られるに至ったと云う。