Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
に向い、それではお母様は御用意遊ばして下さりませと、そう云い遺して自分から先に自害をした。老母はその後で、日頃頼んでいた上人を請じて形見の小袖に金を添えて参らせ、一門の後世を弔うてたび候えと、委しく遺言して、老体ながら甲斐々々しく刃に伏した。危い命を助かった娘は、乳人に手を取られて何処と云うあてもなく浮かれ出で、峰に上り、谷に下り、足に任せて行くほどに、山路に迷い込んだりしたが、夜が明けた頃ふたゝび元の在所へ戻って来たところを、討手に捕えられた。白井備後守の娘の場合には、「女の子は差支えない」と云うことであったが、常陸介は最も罪が重かったので、自然女子にも憎しみが懸ったのであろうか、彼女は都へ連れて行かれて、三条河原で首を刎ねられ、屍骸を曝されたのである。
挿絵
此の外仙千代丸の母君おわこの前の父親の日比野下野守と、御百九の母君お辰の前の父親の山口松雲とは、北野辺に於いて切腹し、丸毛不心は相国寺門前に於いて、自分は年を取っていて腹の皮に皺が寄っているから、同じことなら首を討って貰いたいと云って、討たれて死んだ。尚又謀叛に組した廉で遠流に処せられた人々は、延寿院玄朔、紹巴法眼、荒木安志、木下大膳亮等であったが、それについて太閤記は云う、「たとひ秀次公謀反を思召立給ふ事有共、かやうの人々を其使におぼし寄給はんや