Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
枕もとへすわると、恨みを含んだ口ぶりで、日頃から朋輩の多い中でも兄弟のように契っていたものを、これほどの患いだったらなぜ知らしてくれなかったと云いますので、なあに、心配をかけるようないたつきではない、たゞ一人ある母にさえ知らせないくらいだから、お恨みは御尤もだけれども、悪く思ってくれては困る、此の上重くなるような時には御知らせするから、そうこと/″\しく云わないで帰って下さい、私の身よりは御所の勤めが大切ではないかと云いますと、まあ看病させてくれと云って、四五日傍を離れないで、心の中を尋ねるのです、私も暫くは包み隠していましたが、あまり親切にしてくれますので有りのまゝを打ち明けましたら、佐々木は聞いて、さては御分は恋をしておられるのだな、それなら訳はないと云って、御所へ参って申し上げると、成るほどそうか、そんなことなら容易いことだと仰っしゃって、忝くも御所様が御自身で御文をお書きになり、佐々木を御使にして二条殿へ申し送って下さいました。ところが二条殿の御返事に、あれは尾上と申す女房ですから地下へ下す訳には行かないが、その男を此方へ寄越して下さいと云う