Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
中に見受けられる。左衛門尉は圓一と如何なる縁故があったのか詳かでないけれども、彼のお蔭でたやすく勾当の位を得、姓名を藪原辰一と改めて、文禄二年の頃からとき/″\聚楽の城中に招かれ、次いで城内に住み込むようになったと云う。蓋し圓一が総※(「てへん+僉」、第3水準1-84-94)※(「てへん+皎のつくり」、第4水準2-13-7)の位に登ったのは慶長年中のことだけれども、当時より既に諸大名の御贔屓にあずかり、政治的背景を持っていた一流の座頭であったから、座中に於いても権威を振っていた事情を察すべく、大方三成の邸などへも常に出入していたのであろう。そうだとすれば圓一も亦三成の内命を受けて、左衛門尉を関白家へ推挽するなど、斡旋の労を取ったのかも知れぬ。即ち彼は左衛門尉に瞽官を与えたのみならず、間牒の術をも授けたのであろう。が、順慶の告白のうちで最も奇異の感に打たれるのは、彼は最初はほんとうに失明したのではなく、座頭の資格を得るために佯って盲人になったのであった。
挿絵
「まことのことを申しますなら、じつは愚僧は、まだその折にはめくらになっておりませなんだ。あれは文禄元年の夏、君のお供をいたしまして朝鮮国へ渡海いたし、かの国のみやこ京城と申す所に屯いたしておりましたが、あくるどしの正月碧蹄館のたゝかいに明の大軍を打ちやぶり