Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
と可申候
とある通りで、当時一般に行われていた迷信とは云いながら、太閤ほどの英雄が我が子の成長を祈るためには如何に心を労したかゞ分るのであるが、ついで翌年の正月から伏見城の大土木を起したのも、可愛い秀頼に大坂の城を譲ってやりたさに、己れ自身の隠栖の地を求めたゝめであった。
これより先太閤は、嘗て松永久秀が多聞城を築いていた大和の国志貴山の地を相したが、あまり辺鄙に過ぎるところから、改めて京坂の間に候補地を物色して伏見に定めた。斯くて正月のうちに佐久間河内守、滝川豊前守、佐藤駿河守、水野亀助、石尾与兵衛尉、竹中貞右衛門尉の六人を選んで普請奉行に命じ、「伏見普請の儀、油断無く勤め候へ、かねて入用の物どもは目録を以て石田増田長束などに相談せしめ、萬はかの行くやうに有るべき旨」を仰せたので、六人の衆は「忝き仰せには御座候へ共、小知小見の身を以て莫大なる御普請の儀いかゞおはしまし候べき」と一往辞退したのであったが、「その儀は叶はず」とあって、遂にお受けをした。又太閤は三成以下の五奉行に旨を啣め、二月朔日までに諸役人共悉く伏見へ着到するように国々へ廻文を出させたので、当日までに集まった武士を始め、大工、土工、人足等の総数は二十五萬人に達し、醍醐、山科、比叡山雲母坂より大石を引き出すこと夥しく、堀普請などは、幾つにも区分け