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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

母親がお高く止まっている上に当の娘さんが斯う見括ってかゝっているから、話がナカ/\捗らない。新太郎君は洩れ聞いた数日という期限を、最初は二三日、次に四五日に解して待ち暮らした。

「出雲守、些っとも来ない」

と帳簿を扱いながら外ばかり見ている。

「戦今や酣さ。イヨ/\チョッカイから正々堂々の陣に入った」

と寛一君は他事だから冷静を失わない。成功すれば纒まり失敗すれば破れると信じて、無論前者を望んでいる。それは然うと、宮地さんの出入する家庭は縁談進行中と認められる。随って昨今は遠慮して夜分見える。白昼公然顔を出すようなら先ず確定と相場が定っている。さて五日目にその宮地さんが昼頃店へ現れて直ぐに奥へ通ったのである。間もなく女中が新太郎君を迎いに来た。

「何うやらお芽出たらしいですな」

「結構ですよ」

と店員達が囁き合った。人間は何よりも結婚に興味を持っている。お嫁さんだといえば手の物を置いて見物に駈け出す。それを纒めて歩くのだから、宮地さんは人気がある。

新太郎君は両親の満足そうな顔付で吉報と解した。

「御苦労様でした。草鞋千足です。何ともお礼の申上げようがありません」