Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「いっそのこと七八両月ゆっくり遊ばせたら何うでしょう?」
「すると避暑になってしまうわね」
「まあ然うですな。その代り涼気が立てば迚も気が荒くなって帰って来ますよ。お頼み申したって彼方にいることじゃありません」
「何故さ?」
「あれは病気だ/\と思う病気なんですからね。海水浴でも始まって気が紛れゝばケロリと忘れてしまいます。考えさせるのが一番いけません。今無理に呼び戻すと屹度又悪くなります。夏中本人委せにして置けば直ること保険つきですよ」
と寛一君は断言する丈けの根拠を持っていた。
「それじゃ然ういうことにしましょうよ。お前にまで種々と心配をかけますね」
「いや、何う致しまして。それは然うと伯父さんの方は大丈夫ですか?」
「少し御機嫌が悪いんだよ。自分が丈夫なものだから些っとも同情がないんだね。お前に新太郎のことを何か訊くかも知れないから、その時は今の通りに言って下さいよ」
「えゝ」
「それからお前又今度の日曜に見に行って来てくれる?」
「海水浴ながら行って参ります」
「度々で気の毒だから官費にして上げるわ」
と伯母さんは能く気がつく。
寛一君は早速逗子へ形勢を報告して土曜日を待った。