Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
従兄弟の為めに多少尽すことが出来たと思って満足に感じたが、こんな陰謀に加担していると兎角後ろ暗い。
「寛一君」
と伯父さんから呼ばれる度毎に一応ドキッとした。しかしそれはいつも事務上の用件で、新太郎君のことではなかった。一向問題に触れない。矢張り一つ穴の貉と見られているらしい。土曜の夕刻、
「それでは行って参ります」
と多少覚悟の上で暇を告げた時も、常例の通り、
「御苦労だね」
とお礼を言った丈けだった。実は伯母さんから御意向の程を確めて行きたかったのだが、同席だったのでその機会がなかった。
逗子の宿では新太郎君が待っていた。
「何うだい? 成功したかい?」
と挨拶もソコ/\だった。
「大抵好いんだろうと思うがね」
「ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーは何とか言ったかい?」
「何とも言わないんだよ」
「お母さんは?」
「伯母さんにも訊き損なってしまった」
と寛一君は事情を話しながら託かって来た夏物の包を渡した。
「斯ういうものを渡すところを黙って見ているようなら承知なんだよ。ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーは反対の時か小言の時の外は口を利かない主義だからね。