Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「あら/\!」
と伯母さんはチョロ/\波に追いつかれて立ち竦んだ。足袋が濡れてしまった。
「うっかりしていちゃ駄目ですよ。もっと此方をお歩きなさい」
と新太郎君は稍※(二の字点、1-2-22)鋭く注意した。単独にお母さんだと直ぐ地金を現す。
「はい/\」
と母親は好い気なものだ。折から通りかゝった二人の女性は殊に大胆な新型のワンピースに出立って官憲の許す限りを露出していた。それが新太郎君にニッコリと目礼して行き過ぎた。
「新太郎は大分顔が広いようだな」
と父親は見遁さなかった。
「いゝえ、そんなこともありませんが、あれは去年来ていた何処かの奥さん達です」
と新太郎君は恐縮の態度で弁明した。
「海水着の短くなったのには驚く。まるで裸体だ」
と父親は時世に後れていることを告白したのみならず、
「ブザマなものさ。丈の低い方は家鴨に似ている」
と忌々しげに振り返って、年の寄ったことも表示した。若い女性の半裸体がブザマに見えるようになれば、人生はもう墳墓に近い。
「でもこの頃はあんな短いのが彼方の流行だから仕方がありませんわ」
と母親は若がる丈けに理解を持っている。
「いくら彼方の流行でも日本の女は日本の女らしくして貰いたいものだね」