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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

と父親は立ち上って縁側へ出た。離れには松浦さん連中の女ものが沢山乾してある。それが新太郎君の目にはこの際甚だ迷惑な感じを与えた。

「離れは女の方ばかり?」

と果して母親が疑問を起した。

「いゝえ、然うでもありません」

「先刻一緒に游いでいた娘さんもこゝに宿を取っているの?」

「えゝ。その何ですよ。その……」

「何ですの?」

「兄さんの御夫婦が一緒で監督しているんです」

「寛一や、喉が渇いたから何か飲料を頼んでおくれ」

と西川さんが注文した。

「今命じましたからもう参りましょう」

「俺はビールにして貰おう」

「然うですか」

と寛一君は出て行った。ビールとも思わないでもなかったが、斯ういうことに余り気がつき過ぎるのは却って危険と考えたのだった。一つ穴の貉は目に見えないところに念を使っている。

新太郎君は耳痛いことを聞かされる積りで覚悟をしていたが、それもなくて、当らず触らずの話が長い間続いた。

「新太郎も寛一君も一向飲まないね?」

と父親は独りでビールを傾けた。

「僕は此方です」

「僕もサイダー党です」

と二人は大いに謹慎している。その中に西川老は、

「便所は何処だい?」

と訊きながら立ち上った。