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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「何故?」

「僕とは標準が違うからね」

「何あに、苦労をした人だから案外分っているよ」

「秀子さんが及第しても、ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーが落第する」

「秀子さんにかい?」

「然うさ。あんな怖いお父さんは厭だと言うかも知れない」

「その時はその時さ」

「何ういう意味だい?」

「それまでの縁さ」

「ふゝん」

「溜息をついているのかい?」

と寛一君は他のことだから然う執着がない。

汽車の中の内証話はナカ/\骨が折れる。声を低めれば車の響に消されてしまう。高めれば周囲の人に聞えてしまう。二人は追々口を利くのが負担になって、間もなく申合せた様に目を閉じた。唯東京まで運ばれて行く外に差当り用がない。他の乗客には寝ているのが多かった。寛一君も一寸ウト/\したが、新太郎君の身体から微動の伝わって来るのを感じて我に返った。貧乏揺りだと思って又目を閉じると又ピリ/\と来た。顔を覗いて見たら、蔽った手の下から涙が流れていたので、

「おい君、君」

と慌てゝ囁いた。

「…………」

「何うした?」

「…………」

「見っともないぞ」

と窘めたが、新太郎君は何とも答えずに、居眠りを粧って泣いていた。