Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
寛一君は呆れてしまった。秀子さんに別れるのがこんなにまでも辛いのかと思った。往生際が好いどころじゃない。しかし追究して馬鹿なことを口走られては困るから、もう構わなかった。その中に痙攣的の微動がダン/\遠退いて、
「おい」
と新太郎君の方から言葉をかけた。
「何うした? 君」
「申訳がない」
「うむ?」
「親不孝をした」
「…………」
「今度こそは身に沁みた」
「それならもう宜いよ」
「ところで、君……」
「分っているよ。分っているよ」
と寛一君もシンミリした心持になって又会話が途絶えた。
そのまゝ考え込んで身動きもしなかった新太郎君は横浜で停車した時、
「君、こゝで一寸下りよう」
と急に思いついたように立ち上った。
「何うして?」
「家へ着くまでに打ち合せて置きたいことがある」
「いけないよ」
と寛一君は力強く郤けた。
「君、早くしないと出るよ、もう」
「いけない/\」
「何故いけない?」
「君は後悔しているんじゃないか?」
「無論さ」
「後悔しているのに何の打合せがあるんだい?」
「善後策だ」
と新太郎君は何か未練があった。
「万事投げ出して罪を待つのが真正の後悔だぜ」
「それは分っている」