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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

そうすると、

(金五郎さんは、昼も、夜もなかなか、つかまらない)

そのことも、はがゆいやら、おかしいやらであった。

(でも、きっと、いつかは、思いを遂げてみせる)

お京のその決心に、変りはなかった。

主人の森新之助は、六人居る抱え芸者に、口癖のように、いいきかせた。

「どうせ、花柳界なんて、色と恋の世界じゃけ、お前たちが、誰に惚れようと、どんな男を旦那に持とうと、おれは、なんにもいわん。ただ、玉井金五郎にだけは、手を出さんでくれ。口説いてみたって、玉井が相手にすりゃすまいが、そこは、男と女のこと、いつどんなはずみで、妙なことにならんとも限らん。もし、おれの抱え芸者のうちで、玉井と妙な風にでもなったら、おマンさんに対して、おれがすまん。顔向けならんことになる。頼むけ、玉井だけは番外にしといてくれ」

女将の君香も、機会のあるたびに、それをいうことを忘れなかった。

お京は、深謀遠慮、すぐに、看破されるようなへまはやらない。心中、焦躁に狂いながらも、忍耐づよく、ただ、機の熟するのを待っていた。それまでは、やたらに、金五郎の前にも、顔をあらわさないように心がけていたので、金五郎は、まだ、親友の家に、恐しいお京のいることを知らなかった。