Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

「ワアハッ、ハッハッハッ……」

「姉さん、あたし、もう、帰る」

「ちょっと、待って」

笑いやめたお京は、あわてて、染奴の袖をつかんだ。

「染奴さん、あんまり、あんたが威張るから、ふきだしたのよ。命がけ、だの、承知できない、だのって、子供の癖に、なにいうのさ。自分のいった言葉の意味が、自分でほんとにわかってるの? でも、もう、こうなったら、仕方ないわ。あんたに無駄な苦労をかけさせては気の毒だから、なにもかも、教えてあげる。……染奴さん、玉井さんは、もう、あたしと深い仲なのよ」

「嘘、嘘」

「嘘なもんかね。面倒くさいから、これまで隠していたのよ、あんたがおせっかいしそうだから、ちゃんと教えるのさ」

「あたし、信じないわ。お京姉さんたら、玉井さんに、一度も逢うたことだって、ない癖して……」

「そんなら、今晩、見ててごらんよ。なにもかも、わかるから。……染奴さん、あんた、一体、あたしを誰だと思ってるの? これまで、猫をかぶっていたけど、素姓を知らせてあげようか。……ほら、これをごらんよ」

お京は、ちょっと、あたりを見まわしてから、右腕をまくった。牡丹に蝶の美しい彫青が、あらわれた。