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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

時やんは、昔から、姐さんに惚れとったとじゃろ? 姐さんと夫婦になりたいばっかりに、村を飛びだして、尋ねて来たとじゃろ? その時やんを、迎えにやるなんて……」

「時やんが、自分で行くというたんぞな」

「なお、危いじゃないか」

「オヤジには、小いときから、そがいな胆の切れるところがあったのはあった。わしらには出来んことぞな」

「おれが知っとるが、時やんは、いつか、こんなときの来るのを、待ちかまえとったんじゃ。……帰るかなあ……?」

二人は、この内憂外患のときにのんきたらしく、上機嫌で、「ゴンゾ唄」などを歌っている金五郎が、不思議でたまらなかった。

高塔山の頂上の、乗りあげた軍艦のような松林のかげに、真紅の夕焼をきらめかせて、太陽が沈んだ。暗くなってしまわないうちに、メキシコ丸の荷役も終った。

道具をかたづけ、全員、二隻の伝馬船に分乗して、聯合組のある若松側岸壁に引きあげた。

金五郎は、事務所に入って、荷役終了を告げ、掛けられてある「玉井組」の番札を、後に下げた。

海岸にある「玉井組詰所」では、「小使」と称する賃銀の内金を、松本重雄が子分連中に渡している。勘定は半月毎にすることになっていて、仕事のあった日は、帰りに、夫婦者は三十銭、独身者は二十銭、内渡しするのである。