Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「オヤジ、サーカスにつれて行って下さい」
一週間も前から、「中学生」の俊次は、金五郎にねだっていた。
金五郎も、もう、杖なしで自由に歩けるようになっていたので、
「今年は、おれの快気祝いを兼ねて、玉井組全部、「蛭子座」に坐ろうと思うとる。サーカスでも、ロクロ首でも、八幡の藪しらべでも、なんでも、つれて行ってやるぞ」
上機嫌で、そんなことをいった。
祭の第一日目に、早朝から、「蛭子座」が開かれる。社殿とは別に建てられた広い拝殿で、参拝者が座につく。エビと鯛つきの膳で、神酒をのみ、打ち込みをして、縁起を祝うのである。希望者が多いので、なかなかその資格が得られないのだが、金五郎は、なんとかして、今年は玉井組全員、「蛭子座」に就きたいと考えていた。
「マン、お前も坐れよ」
「さあ……?」マンは、小首をひねって、「ウフフ……、こんなドン腹で、……」
「ドン腹だって、恥かしいことあるもんか」
「恥かしいことはないけんど、「蛭子座」のまん中で、産気づきでもしたら、大きな大事やわ」
「なお、めでたいじゃないか。産婆さんを雇うで、隣りに置いといてやるけ、お前も来い」
「そんなこと、……」