Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて、七八十人になった。女が二十人ほどまじっている。

黒ガキの牀柱を背に、一人の巨漢が、入って来る人間をしらべながら、名簿らしい大きな帳面に、赤インキで、しるしをつけている。六尺をこえるかと思われる、色の黒い、出歯で、額のせまい、いがぐり頭の四十男だ。ネルのシャツのうえに、「浜尾組助役」と染めぬかれた半纏を着ている。眼が、するどい。

「どうやら、揃うたようにあるなあ。三人ほど来んが、半パ者ばかりだから、もう、これで、よかろう。……新公、お前、親分へ――揃いましたから、お出まし下さい。……って、取りついで来い」

「へい」

新公と呼ばれた、二十三四らしい、やはり、半纏姿の頑丈そうな男が、密集している仲仕たちの間を、敏捷に、かきわけて出て行った。

まもなく、浜尾市造があらわれた。牀柱のところに来て、つっ立った。中肉中背だが裃でもつけたように、おそろしく両肩が張っていて、瓢箪のように細長い顔は、へんに青白い。疳性らしい青筋が、ミミズのように、額に太く這い、びくついている。

一座が静まると、浜尾は、沈痛な面持で、口を切った。

「今夜、みんなに集まってもらったのは、浜尾組の浮沈にかかわる一大事が起ったからじゃ。