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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

花輪が踏みくだかれて、けばけばしい造花を散らす。

森新之助は、狂気のようになって、バケツの水を運んでいる。

「畜生、……畜生」

と、歯ぎしりしている。

金五郎も、手伝った。

「こんなことまで、しやがるとは思わんじゃった」

新之助は憤怒の形相で喚いた。

栗田銀五の一味で、なにか悪だくみをしていることは知っていたけれども、舞台を崩壊させるなどとは、想像を絶したことであった。厳重に警戒はしていたのに、まったく、見当が外れていたのである。舞台装置をする熟練した道具方は、組みたてたセットの急所を知っている。どこの釘、楔、鎹、或いは、結び綱をとけば、道具がくずれるか、やろうと思えば、どんなことでも出来る。観音堂は吊り道具になっていたらしい。吊り綱が切られたため、一瞬にして落下した模様だ。計画的であることは明瞭だった。

新之助は、お堂がくずれ落ちた瞬間に、はじめて、それを気づいたのである。

(どいつが、やったのか?)

狂人のように、消火に努めながらも、新之助の頭には、小屋の裏方の顔が、次々に、浮かんで消えた。

(あいつかも知れん?)

一つの顔を思い浮かべて、眼を光らした。