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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

と、君香は、「女髪結い処」の門燈の出ている曲り角から、別れて行った。

公会堂の前まで来たとき、金五郎は、背後から、呼びとめられた。

ふりかえった。

「玉井の大将、ちょっと、顔を貸して下さらんですか」

遊人風の巨漢である。鳥打帽をかぶっている。(またか)と、舌打ちする思いだったが、みちびかれるままに、暗い公会堂裏について行った。

二十人ばかりの無頼漢が、ぞろぞろと、あらわれた。金五郎を包囲した。鳥打帽が号令をかける。

と、全員、抜刀した。

シュウシュウという、すき間風のような音とともに、引き抜かれた日本刀の切ッ先が、二十本あまり、金五郎を中心に突きだされた。公会堂の小使室から洩れて来るかすかな明かりに照らされて、整然とならんだ刀が、八百屋の店先の白ネギの列のようである。抜刀隊は、これも、誰かが号令を降したかのように、いずれも、諸肌ぬぎになった。シャツを着ている者は一人もなく、男たちの素肌には、夜目にも、全員、さまざまの彫青がほどこしてあるのがわかる。

金五郎は、苦笑した。

(おれも、おどけ芝居の名人じゃが、向こうにも、おれに負けん役者が居るとみえるわい)