Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

しきりに、水を飲んだ。

「……今までお話し申しあげましたように、万事、民政党のやり口というものは、狡い。「人の法事で牛蒡をする」という諺がありますが、……」

どッと、堂内をゆるがす笑声が起った。

金五郎はびっくりして、いいなおした。

「いや、まちがいました。――人の法事で牛蒡を……」

また、爆笑。

金五郎は立ち往生して、水を飲んだ。苦笑が止まらない。

(矢崎新兵衛の「枕をならべて、出馬」を笑えんじゃないか)

そう思いながら、今度はゆっくりと、

「人の、牛蒡で、法事をする――自分は手をよごさず、うまい汁を吸うのは、民政党の十八番であります」

「お前の十八番は、法事で牛蒡をすることじゃろ」

誰かが弥次って、また、ひとしきり、場内がどよめいた。

金五郎は、なおも、汗をふきふき、演説をつづけたが、ときどき、南階段の方へ投げる眸に、マンが、お京の方へ寄って行くのが見えた。マンが呼びかけたらしく、お京がふりむいて、なにか、答えている。無論、遠い演壇からでは、なにを話しているかはわからない。

やがて、二人はつれだって、出て行った。

その後から、鳥打帽の巨漢が、追うように、姿を消した。