Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
を、光丸と踊った芸者にちがいなかった。先刻から、はぐらかされてばかりいるのがおかしくなって、
「ああ、あなた、妻太郎さんなのね」
と、なにか軽い気持になって、いった。
「いいえ、ちがいます」
女の顔に、また、妖しい微笑が浮かんだ。
「そんなら、どなた?」
マンは、狐につままれた面持である。
「お京は、あたしの母です。あたしは、葉子と申します」
「お京さんの娘さん?……」
マンは、おどろいて、相手の顔を見なおした。
「十郎さん」
葉子はふりかえって、暗闇に向かって、声をかけた。
「なんだい? お葉さん」
その声と同時に、大榎のかげから、懐手をした鳥打帽の巨漢があらわれた。
「もう、ここは、いいわ」
「そうかい。そんなら、会場の方に行ってるから……」
「抜からないでね」
「心配しなさんな」
男は雪駄の音を急がせて、池にかけられた石橋を渡って行った。また、公会堂に行くらしい。
「あれは、どなた?」
「用心棒です」
「あなたの?」
「いいえ、あなたの旦那さまの」
マンは、わけがわからないので、ちょっと、言葉が出なかった。
お葉は、マンのきょとんとした顔つきを見て、面白そうに、ころころと笑いながら、