Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

……

どれくらい時間が経ったか。ふっと、眼のさめた勝則は、びっくりした。

かたわらに、光丸がいる。

あたりは、ぼうと、うす明かるい。電燈は消してあるけれども、障子が白く、かすかな光線をうけていて、その明かりが狭い部屋を浮きあがらせている。勝則は、異様な昏迷をおぼえた。

(ここは、一体、どこだろうか? 一体、あれから、どうなったんだろうか?)

自宅で、子分たちと酒を飲んでいるうちに、視界朦朧となりはじめてから、まったく、記憶がない。断片的に、幻燈のように、記憶が飛び飛びになっているが、それも夢といった方が早い。手をたたいて、子分たちと歌ったり、踊ったりしたようである。やけ糞みたいに、しきりに、なにか、どなり散らした。ゆらゆらと立ちあがると、母が、

「もう、外には出らんで、早よう寝なさい」

そういったようでもある。しかし、それも、夢であったかも知れない。

ふと目ざめたときも、夢の中にいるように思った。頭のしんがズキズキと疼き、まだ、酔っているように、顔や身体中が火照っている。はじめは、酔いつぶれて、自分の家のどこかに寝ているのかと錯覚した。

光丸の顔が見えて、仰天した。