Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「こっちに変ったのか」
「上がれ、上がれ」
どよめきと、喚き声とともに、大勢の暴力団が、土足のまま、二階に押しあがって来た。
八畳一間しかないので、逃げることが出来ない。二三人、屋根から、飛び降りた。
「来やがれ」
「畜生」
「吉田大親分を犬ちゅうたのは、どいつか」
口々に、勝手なことをいいながら、暴漢たちは、さんざんに、あばれた。組合と、劇団側とが無抵抗なので、あばれ放題である。一人が謄写版を投げた。電燈の笠にあたって割れた。電気が消えた。別の一人が、蓄音機をかかえあげた。両手でさしあげて、振りかぶった。それまで、レコードは廻っていたので、高い暴漢の手のうえで、「メーデーの歌」が鳴りつづけた。
「くたばりやがれ」
巨漢は、ポータブルを投げ落した。誰にも当らなかった。それは、わざと人のいない場所を目がけて投げたことが、明瞭だった。彼等が真剣になぐりこみをかけて来たのなら、全滅したかも知れない。しかし、奇妙なことに、大仰のわりに、被害は少かった。攻撃が緩慢であったからだ。兇器をふりまわす者もなかった。山本安英、その他の人々が、すこしずつ、怪我をした。
暴漢の間をすり抜けた勝則は、玉田の裏にある長尾医院の電話を借りに行った。