Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
六つの刃のある雁爪を打ちかけられたら、命にかかわったかも知れない。しかし、その男は、襲撃の寸前に、ワイヤにつまずいて、どさッと、金五郎の足元に倒れた。マンが、突き飛ばしたのである。
金五郎は、その男の襟首をつかむと、舷側まで引きずって行って、海中に、投入した。
金五郎は、マンを睨んだ。
「女の癖に、出しゃばるな」
そう叫ぶと、くるりと廻転して、また、乱戦の中に、飛びこんで行った。
両軍入りみだれる戦場に、突然、太い水の鞭が降って来た。水夫長が、ポンプの水を、マストの梯子の上から、浴せはじめたのである。強い水しぶきが、喧嘩男どもを、ピシピシと、たたいた。
水上警察署のランチが、汽笛を鳴らしながら、近づいて来た。
「サツが来たぞう」
誰かが、叫んだ。
その声は、まるで、魔法の箒に似ていた。びしょ濡れになって、組んずほつれつしていた両組の仲仕たちは、その一声で、さっと、甲板から掃きだされた。一人のこらず、消えた。
見る間に、仲仕たちは、伝馬船に乗り移った。舷側に吊られていた棚は、最上部から切断された。機敏に、道具と、怪我人とを収容してしまうと、二隻の伝馬船は、インド丸の舷側を離れた。