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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

女性のようなこの古陶の美しいもろさが、彼の驚きにこまかい更に別様なこの陶器の魅力を、加えしめた。そうかなあ、そんなに君は弱い人だったかなあ、と、つぶやいた。彼も彼の家人も壺にたいしては、この壺はとはいわずに、この人とか、あの人とか呼ぶようになっていたから、彼はこのよわい人が何故によわいかということの原因では、うつくし過ぎるためにそのようにもろく弱いとしていた。彼はにゅうがさらにふえて深まったことには悲しまない、にゅうというものはちょっと動かしただけで伸びることもあろうから、列車の震動がつたわってにゅうに異変はあり得るものにおもえた。まるで生きているようなものだ、風邪を冒いた女の子がちょっと快くなって、外の空気にふれただけでまた冒き返すことに似ている、この人は風邪を冒いたようなものである。

彼は陶器にくぐり込んでから、もう四十年近く経っているが、陶器の鑑定になるとまるで判らない五里霧中の人であった。だから何者にも怖れないふてぶてしい男も、陶器の判る人の前だけには参っていた。頭も尻尾もあがらない、若い小僧さん上りの人が驚く程の見方をやって退けるのを聞くと、もう口が利けなかった。